マーケティングオートメーションとは?
マーケティングオートメーションとはマーケティング(顧客発掘)とオートメーション(自動化)を組み合わせた言葉で、ターゲット顧客の発掘、管理、受注に至るまでのプロセスにおいてツールを活用することで定型業務を効率化する活動を指します。一般的には頭文字を取ってMAと表記され、用いられるITツール自体をMAということもあります。 MAが注目を集める理由は反復性の高い業務や膨大なデータ処理を必要とする業務を自動化し、営業活動を最大化できる点です。例えばメルマガ配信を行う際、必要な作業として①獲得したメールアドレスの登録②メールアドレスのリスト作成③ニーズに応じた配信内容の選定といった作業が大方必要になるでしょう。この一連の作業は反復性が高いうえに扱う顧客情報が多くなり営業生産性を低下させる原因となってました。MAによって繰り返しや処理の多い作業を人手から機械的な処理に置き換えることで効率化を実現し、本来増収の要となる営業活動に時間を費やせるようになるのです。 またMAによって処理可能な情報量が増えることはアプローチ可能な顧客数が増えることを意味します。見込み顧客の母数を最大化し多くの優良顧客を創出できるようになると同時に顧客の特徴に合わせたコミュニケーションも可能となり良好な関係構築のツールとしても期待できるでしょう。
マーケティングオートメーションにはツールが必須
マーケティングオートメーションには必要に応じたソフトウェアもしくはツールが必ずといっていいほど欠かせません。
マーケティングオートメーションの必要性は?
マーケティングオートメーションの市場規模の変化を示すデータによると2020年に540億円だった市場規模は2021年には600億円に達し、さらには2026年までにはおよそ800億円までの規模に昇るとされています。この市場規模の変化を裏付けるのがインターネットの普及によって情報収集の活動場所がオンラインにシフトしているという購買側の行動変容です。 購買側の情報収集がオンラインで完結されていくことで、ニーズが発生した顧客は適当なサービスを自ら選定するようになっています。これは営業が購買側の意思決定に関与するすき間が限定的になっていることを示しており、リードに接触した時にはすでに購入意志が固まっているため検討の土台にすら上がらないということです。つまりインターネットが普及した環境での営業活動ではニーズが顕在化する前にいかに顧客に接触するかが重要なのです。見込み顧客を囲い込み、ナーチャリング(顧客育成)することで顧客が商品検討する際に自社サービスが選択肢の一つになるよう顧客管理する、そのためのツールとしてMAの需要が高まっているのです。
マーケティングオートメーションツールの機能一覧
MAツールを使うことで顧客の行動履歴を視覚化できデータに基づくロジカルなアプローチが可能となります。またマーケティング・営業の現場負担を軽減でき、顕在化したニーズに対して短いリードタイムかつ適当な手法を選択できる機能もあります。
1.リード管理機能
リード管理機能はリードジェネレーションによって得られた顧客データを管理する機能です。主に以下のような方法で顧客のデータを集積します。 ・担当者名刺 ・webサイト閲覧履歴・セミナー出席履歴 ・担当者変更履歴 ・過去のコンタクト歴 ・他部署のアプローチ状況 リード管理機能を用いることで営業が個別に管理してきた顧客情報を全社的にまとめられるようになります。とくに営業担当を主体とする企業ではどの営業がどの担当者にアプローチしたのか把握できないといった課題も多々あるのではないでしょうか。MAのリード管理機能を使うことで顧客情報を一元的に管理できるようになるため営業同士のバッティング防止に役立ちます。また国内拠点が複数ある企業の場合は他拠点にてキーマンとの接点があれば、それをフックに関係構築のネタにすることも可能です。これまで営業に属人化していたリード情報を組織的に管理することで会社全体のナレッジとし営業戦略に利用していきましょう。
2.スコアリング機能
スコアリングとは見込み顧客からの受注確度を数値化することです。具体的にはメルマガの開封やwebサイトへの訪問、広告閲覧、セミナー参加頻度などのリードの行動履歴から受注に至る確率がどの程度あるのかを算出してくれる機能になります。顧客の購買意欲がどの程度あるかは営業個人の感覚によって判別されがちでした。スコアリング機能を使うことで行動に基づいた客観的な数字が出るので営業がどのリードに注力すべきか温度感を調整することができるよようになります。スコアリング機能を活用することで膨大な顧客数から優良顧客の見落としといった機会損失を最小限に抑えられるでしょう。
3.メール/DM作成機能
獲得した見込み顧客のニーズを顕在化させるプロセスとしてリードナーチャリング(刻悪育成)があります。メルマガ配信とDMの送信はリードナーチャリングとして用いられるオーソドックスな手法です。しかし配信内容はリードの興味・関心度合いに加えて顧客の属性などに応じて適宜変更する必要があり、非常に時間を要する作業の一つです。マーケティングオートメーションツールのメール・DMの作成機能を用いれば、リード管理機能と同期することで顧客の特性や状況に応じた適当な内容を作成してくれます。
4.メール/DM配信機能
作成だけでなく配信機能も備わっていることもMAの大きな特徴です。MAを使ったメール配信の強みはリード管理機能とリンクし、リードの行動履歴に紐づいたマーケティングアクションを実行できることです。例えば資料のダウンロードやweb広告のクリックなどある行動を起こしたリードのみにメルマガを配信したり、またリードの属性に即したコンテンツを配信します。種別や属性によってしか配信先をセグメントできないメール配信ツールと違い、行動によってセグメントできるのがMAの強みです。
5.ランディングページやフォームの作成機能
ランディングページとは顧客がWeb広告をクリックした先に出る最初のページです。顧客が目にする最初のページとなることから自社の製品やサービスを大々的かつ視覚的にアピールし興味を惹くようなコンテンツが設置されます。フォームは問い合わせ機能や資料ダウンロードの際に顧客がメールアドレスなどの情報を登録するページです。フォームから得られるデータから「どんな顧客が自社に興味を持っているか」見込み顧客の属性を把握できます。ランディングページやフォームは記録したリードの行動履歴をリード管理機能に反映させることでリードナーチャリングの効果を高める役割を果たします。MAツールにはこうしたランディングページやフォームは顧客との接点を生み出す重要な機能です。
6.レポーティング/分析機能
レポーティング・分析機能は顧客の特性を知り効果的な営業戦略を講じるために必要な機能です。ニーズのある同じ顧客でもそれがアプローチの仕方やタイミング次第で成約につながるかは大きく変わります。レポーティングはマーケティングの施策結果をまとめてくれ、分析機能は顧客ごとのwebサイトの閲覧回数やサイト訪問日を算出することで詳しい行動履歴を教えてくれます。これらのデータ元にして適当な営業アプローチをかけることで成約確立を高められるでしょう。
7.広告分析機能
冒頭にてインターネットの普及によって顧客の情報収集の形が多様化したことをお伝えしました。スマートフォン一台で完結する手軽さと圧倒的な情報量を誇るSNSは購買側にとってまさにネット時代に登場した欠かせない情報源です。そうした顧客の変化に合わせてSNSをリード獲得に使うマーケターも増えています。近年SNSも種類が多く、メディアごとに特性も異なるため適当なものを選ぶのも、複数のメディアを同時管理するのも一苦労といえます。広告分析機能使えば複数チャンネルを一括して管理し、かつ流入測定を使えばどのチャンネルからの閲覧が多いか計測でき、投資対効果のより高いメディアに絞って運営が可能です。またSNSだけでなく検索型広告やほかの広告においてもどれだけの閲覧数があるかを確かめられます。
8.SFAやCRMなどのシステム連携機能
SFA(Sales Force Automation)は営業支援システムを指しており、獲得した見込み顧客からの受注、成約に至るまでの営業プロセスを見える化し支援する機能です。RM(Customer Relationship Management )は顧客管理システムのことで、顧客と自社の接点を属性や各チャンネルによって管理することを意味しています。SFAやCRMでの活動状況をMAと連携すれば案件発生数や顧客の育成進捗を可視化できます。そして実践したマーケティングがどれほどの効果を発揮したかを知ることでマーケティング戦略の改善に関するヒントを得られるでしょう。